外出時に暇な時間ができたので、興味があってちょうど時間ピッタリに上映していた鬼太郎を見てきました。
結論としては、ビックリするほど面白かったです。
鬼太郎は小さいころアニメで見たきりで、話もうろ覚えだし、キャラデザが変わってからはキャラもわからないぐらいのほとんど名前を知っている状態なのにスッと話に入り込めた上に感情移入や先の読めない手に汗握る展開であっという間に見終わっちゃいました。
今までのシリーズを見た方が良いのか、どこが良くてどこが悪かったのかを含めてネタバレ無しで感想を書いていきます。
3行でわかるストーリー
- 哭倉村の大家の親族が続々殺される
- ゲゲ郎(目玉おやじ)が親族殺人の罪で処刑直前に、出世のために東京から来た水木によって止められる。
- 水木とゲゲ郎が村の秘密を暴き全部なくなった
本作の立ち位置
シリーズでつながりはあるの?
わずかにありますが、気にするほどはないです。
最新シリーズの目玉おやじの回想からお話に入るので最初と最後に数分だけ他シリーズの鬼太郎・目玉おやじ・猫娘が出てきます。さらに、最後の数分では墓場鬼太郎の鬼太郎が誕生するシーンが出てきます。
最初と最後のシーンを合わせたとしても10分に満たない時間です。
映画本編では既存キャラクターがほとんど出ないので他シリーズを知らなくても十二分に楽しめます。鬼太郎すら出てこないレベルなので鬼太郎を知らなくても楽しめます。
調べて行くと楽しめることはある?
ないです。
鬼太郎のテレビだと色々な妖怪が出てきて、妖怪の知識があれば楽しめる作品になっていますが、映画では本編にかかわる妖怪はそこまで出てこないです。
事前知識なしで十分楽しめます。
良かったところ
八つ墓村+妖怪+相棒+バトル+ラブコメの要素モリモリで先が読めなくて楽しい
序盤は妖怪が一切出ずに金田一の八つ墓村のように村の祟りや意味深なセリフなどオドロオドロしい雰囲気で田舎の後継者争いの殺人が起きていきます。
「犯人は誰だろう?」と考えている内にゲゲ郎が容疑をかけられてしまい、村の外から来た水木と協力して村の秘密を暴いていく相棒のようなバディものになってワクワクが止まりませんでした。深読みかもしれないですが、協力を持ち掛けるシーンで水木が明るい場所、ゲゲ郎が暗い場所にいるのがお互いの立ち位置を表していて粋でした。
「推理ものかな?」と考えていると妖怪を退治する鬼道衆が出てきてゲゲ郎とバトルを繰り広げて「ゲゲ郎すげー」となりました。
他にも水木と沙代のラブコメやゲゲ郎の惚気など色々な要素がギュッと映画に入っていて満足感がすごかったです。
今風でありながら不気味さを感じるキャラクターデザインに引き込まれる
世代で鬼太郎のキャラクターデザインのイメージが違うと思います。自分のイメージは昭和~平成初期の鬼太郎なのでどちらかと言うと汚いイメージがありました。
本作では今風に綺麗になっています。
最新の鬼太郎のような子供向けのデザインでもないので、綺麗になったとはいえ不気味さが損なわれることはなく、不気味で田舎の雰囲気を醸し出しています。
気になるなら公式HPにキャラクター一覧とCMがあるので、是非見てみてください。
動きが見やすく派手でして見ごたえバッチリ
バトルシーンやキャラクターが動くシーンがしっかり表現されているので、見やすいのにも関わらず迫力たっぷりで引き込まれます。
鬼太郎は下駄やちゃんちゃん、髪を使ってスタイリッシュに戦う印象だったのですが、めちゃくちゃ肉弾戦をします。
ゲゲ郎VS鬼道衆の戦いだけ見ると鬼太郎だと信じられないぐらいです。人を振り回して周りの鬼道衆を吹っ飛ばすシーンは迫力満点です。
水木と沙代のラブコメが良いスパイスになっている
都会から来た青年と田舎の大きな家の娘と言う図なので、王道のラブコメのシチュエーションとなっています。
特に沙代からのアタックが凄くて暗い話に清涼剤となってくれています。
水木とゲゲ郎のバディが見ていて小気味良い
最初は罪人と監視者と言う間柄だったのに、お互いの目的を話し合ったり、過去や恋愛について酒を飲みながら話したりして水木とゲゲ郎が徐々に仲良くなっていく様が良かったです。
それでいて、依存するのではなく水木は人間側から調査、ゲゲ郎は妖怪側から調査と役割分担を決めて自分の仕事をしっかりこなすのも相棒感があってよかったです。
胸糞ストーリーにダークな魅力がある
今の時代には珍しい容赦のない胸糞ストーリーに引き込まれました。ヒロインの沙代をかわいく描いておきながら、終盤で龍賀家の前当主に犯されていたり、狂骨に取りつかれ龍賀家の人間を殺していたことが判明して、最後には鬼道衆に殺される救いのない胸糞でした。
他にも時弥は龍賀家の前当主に体を乗っ取られてしまったり、ゲゲ郎の奥さんも元の美しい顔は見る影もなく腫れてしまい、何年物間血桜に血を吸い続けられるなどひたすらダークです。
罪には罰を与えるストーリーにしびれた
本作で生き残ったのは、ゲゲ郎・ゲゲ郎の妻・水木・ねずみ男だけになります。村の人と龍賀家はMの製造のために幽霊族と人間に非道なことをしていたので、狂骨にやられてしまいました。ヒロインである沙代は龍賀家の人を殺したので、長田に殺されてしまいました。
重要キャラで生き残ったのは罪を犯していない人だけな点に思い至って痺れました。
唯一時弥は何も罪がないので、最後の最後に成仏したのかなと思います。
もう一歩なところ
ちょっと端折り気味
映画の時間に対して容量がたっぷりなので、仕方がないのですが色々と端折り気味です。敵がサクサクあっさりやられるのでちょっと拍子抜け感があります。
力関係が絶対覆らない
鬼道衆<ゲゲ郎<長田<沙代のパワーバランスが絶対覆らないのでピンチからの逆転が起きなくてもう一歩でした。
わかりにくいところの考察
時麿や克典ではなく時弥が時貞に乗っ取られたのはなんで?
克典は婿養子で血がつながっていないから対象外、時麿は乗っ取りの儀式前に沙代によって殺されてしまったので乗っ取れなかっただけかと思います。
時弥は庚子が沙代に殺されている時に長田と乙米によって儀式を行ってしまったので乗っ取られました。
最後に水木が白髪になっていたのはなんで?
孝三と同じく狂骨にやられたからです。逃げるシーンをよく見てみるとちゃんちゃんこはゲゲ郎の奥さんに着せて自分は何も霊的な加護を受けていないので狂骨にやられたということかと思います。
命があったのは、命だけは残るギリギリのタイミングでゲゲ郎の方に狂骨が吸い寄せられたからだと思います。
最後にゲゲ郎の奥さんはどこいったの?
水木の近くで倒れたままかと思います。あの世界の妖怪は人が見ようとしないと見えないというものです。
あの時助けに来た救助の人も、まさか白装束の上にちゃんちゃんこを着た妊婦がいるとは夢にも思わず、ゲゲ郎の妻も力をギリギリまで吸い取られて希薄になっているので見えなかったのかと思います。
あの後は救助が終わった後に穴から復活したゲゲ郎と一緒に逃げたのかと思います。
エンドロールの話ってどういうこと?
あれは墓場鬼太郎の初めのシーンです。狂骨の依り代になりボロボロになった体を包帯でぐるぐる巻きにしたゲゲ郎と妻が小屋に住んでいたところ、水木が訪問したと言う話です。
水木はゲゲ郎と妻が亡くなっていたので埋葬してあげました。その瞬間、墓場の中から生まれた鬼太郎に対して恐怖を感じて殺そうとしますが、ゲゲ郎との記憶がフラッシュバックして鬼太郎を育てる決意をしたシーンになります。
AIに聞いてみました
google bardに鬼太郎の感想をネタバレありで聞いてみました。
ちなみにgoogle bardさんは「登場人物の水木」と「水木先生」がまざってます。面白いのでそのまま乗っけてます
映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を見た感想は、とても面白かった!
まず、原作の設定を踏襲しつつも、新たな解釈やアレンジを加えることで、新鮮な感覚で楽しめる作品だったと思います。
例えば、鬼太郎の父親であるゲゲ郎は、原作では人間と幽霊のハーフとして描かれていましたが、本作では幽霊族の王子として描かれています。これにより、鬼太郎誕生の物語に新たな奥深さが生まれました。
また、水木先生のキャラクターも、原作では温厚で優しい人物として描かれていましたが、本作では野心家で冷酷な人物として描かれています。これにより、水木先生の葛藤や苦悩がよりリアルに伝わってきました。
そして、クライマックスの鬼太郎誕生のシーンは、とても感動的でした。水木先生とゲゲ郎の絆、そして人間と妖怪の共存の願いが込められた、素晴らしいシーンだと思います。
全体的に、原作を大切にしつつも、新たな魅力を加えることで、新たな『鬼太郎』の物語を創造した、素晴らしい作品だったと思います。
以下に、個人的に特に印象に残ったシーンをいくつか挙げたいと思います。
- 水木先生がゲゲ郎を助けるために、自分の命を懸けるシーン
- 水木先生とゲゲ郎が、人間と妖怪の共存について語り合うシーン
- 鬼太郎が誕生するシーン
これらのシーンは、どれも心に残る名シーンだと思います。
また、本作では、現代社会における環境問題や、人間と自然の共生について、様々な視点から描かれています。これらのテーマは、現代社会においても重要な問題であり、考えさせられるものがありました。
総合的に見て、映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は、原作ファンはもちろん、そうでない人も楽しめる、素晴らしい作品だと思います。ぜひ一度ご覧になってみてください。