今週のお題「一気読みした漫画」は、戦国妖狐です。少し前のアニメのプラネットウィズと同じ作者の漫画なのでプラネットウィズが面白かったという人はこれも面白く感じると思います。
話としては架空の戦国時代が舞台の漫画で、人が嫌いな仙人と人が好きな狐の妖怪が世直しの旅をする話です。この漫画では妖怪は「人の傍らにあるもの」として闇(かたわら)と呼ばれています。
「他人の救い手に万能を求めるな。自ら万能の救い手たるを目指せ。」など名言がたくさん出てきます。
おすすめポイント
1つの漫画で3つの王道ストーリーを読める
この漫画は3部構成になっていて、それぞれ下のような王道な話になっています。
第一部は、仙人と妖狐が事件に介入して説法をする水戸黄門的な話になっています。第二部は主人公が変わり、少年になっていて事件を通して自身の在り方を考えて成長する話です。ライバルキャラやおちゃらけキャラ、マスコットなど少年漫画的な話になっています。第三部は漫画の集大成として最終決戦のための仲間やアイテムを探すRPG的な話になっています。
この3部を17巻で表現しているので密度がものすごいです。
勢いのある絵と戦闘
この漫画の絵は綺麗というより、勢いのある絵になっています。その絵で決め台詞や戦闘が書かれているので漫画から伝わる圧もすごいことになっています。おかげで名言はより、名言っぽく戦闘は苛烈さを増しています。
かっこ悪くてかっこ良い生き方の大人が多い
第二部から特に顕著ですが、カッコいい大人が多く出てきて、主人公を導きます。人間なのでかっこ良い一辺倒ではなく、かっこ悪いところもありますがそれを隠そうとせずに「かっこ良いのも悪いのも人だ」と言いたげに見せつけてきます。
感想
次への展開が気になりすぎて、読む手が止められないぐらい引き込まれます。大人は一切成長しないけど、それ以外の人はほぼ全員何かしら成長しているのが面白いです。時が流れていることを利用して、最初は成長する側だった人が途中から導く人に代わっていくのが特に好きでした。
17巻とそれなりに巻数はありますが、読み終えるまでは引き込まれて疲れもせずに、読み終わってからはものすごく満足した気持ちになります。
まさしく、「願わくば きみの中にも温かいものが残されていますように」と最後に主人公が言っているように心に温かいものが残ります。