アニメでやっていたVivyの原案小説であるVivy prototypeを読み終わったのでその感想です。
アニメでやっていたVivy-Fluorite Eye's Song-の元となった原案小説になります。
良くある原作とアニメのようにストーリーが追加されたり、最後の決着が違うようなものをイメージしていたら、何がどうなってここまで変わったのかがわからないぐらい違いました。
アニメとの比較をメインに重要なネタバレはなしで書いていきます。
目次
設定の違いで驚いたところ
最初からヴィヴィはメインステージで歌っている大人気の歌姫
アニメでは、シンギュラリティポイントを経て最後の最後にようやくメインステージに立てたヴィヴィですが、原案小説では初登場時にはメインステージで歌っていました。
大人気の歌姫らしくコミュニケーション回路も最初から発達しているのでアニメや漫画であったダサいポーズもなく、心を込めて歌うということに悩んだりしていません。
13話をかけて見つけた「心を込めて歌う」ことを最初からクリアしているので、もはや今後どうなるのかの予想が一切つかなくなりました。
相川議員が賢く理性的
アニメの相川議員は逃げている間ずっと泣き言を言っているようなカッコ悪い人でした。原案小説の相川議員は自身の置かれた状況の分析や解決案のための情報提供をするなど賢く理性的になっています。
アニメでは相川議員は口先三寸で生きていたように感じていましたが、原案小説では緻密な計算で生きてきた印象を受けました。
ちなみにクママツモトは、この時に相川議員に拾われて一生大事にされたそうです。
垣谷ユイがゴリラ
アニメの垣谷ユイは車いすに乗ってAIと共存を目指していました。原案小説ではゴリゴリの反AIの思想を持っていてディーヴァと互角に戦えるほど強いです。
原案小説の垣谷ユイがアニメの垣谷ユイを見たら苦虫をかみつぶした顔をしそうな気がします。
話の違いで驚いたところ
シンギュラリティポイント以外すべてが違う
シンギュラリティポイントの場所と要人だけはアニメと同じですが、それ以外がすべて違いました。例えばアニメ版は隣のビルに乗り移って相川議員を助けますが、原案小説では普通に地下通路から逃げます。
他のシンギュラリティポイントもかなり話が違うのでアニメを見ていても一切先がわからないワクワク感がありました。
各キャラの掘り下げがある
アニメではヴィヴィとマツモトに焦点が絞られていますが、原案小説では他のキャラの掘り下げもあります。モモカの乗っている飛行機が燃える瞬間の様子も描画があって、ただでさえ悲しい話がさらに悲しくなりました。
エステラの話はホテルを取り囲む状況と前オーナーや今オーナーとの関係をしっかり描画していて、さらに魅力的に描かれています。
原案小説ではAIの立ち位置の選択がテーマ
アニメではヴィヴィは「心をこめる」ことを良く考えていましたが、原案小説では「シンギュラリティ計画と自身の気持ち」の葛藤をしています。
そこから派生して原案小説ではAIの立ち位置をテーマにしているように感じました。それを表現するためにヴィヴィの気持ちも詳しく描画していて、シンギュラリティ計画と人道的行動の板挟みになっている様子が感じられて面白いです。
感想
原案小説からアニメが作られたことが信じられないぐらい違いました。むしろ今のままでも十二分に面白い原案小説を、つまらなくなる危険を冒してなぜ変えようとおもったのか分からないです。結果としてアニメも面白くなったので英断だったと思います。
原案小説からアニメまでに後2~3個間に何かが挟まっていないと、アニメの話にはならないだろうと思いながら小説を読んでいました。
欲を言うならば、最後のヴィヴィとマツモト、垣谷ユイの戦いが見てみたいので3クールぐらいで原案小説の方もアニメ化をしてほしいなと思います。