日常の色々な事

開発の考えや映画やアニメなど、ごちゃごちゃしたものを書いてます。「本サイトはアフィリエイトが含まれています」

映画「迷宮のしおり」の感想と見る前の注意点

映画「迷宮のしおり」を2026年1月10日に見てきました。色々なところで目にする機会が多く、1月1日に封切と言うインパクトで期待しながら見に行きました。

SNSや承認欲求という現代的なテーマに挑戦しつつ、アニメらしい視覚表現とホラーテイストを含めた挑戦的な映画で楽しめつつ、映像美やテンポは古く今風でないので、賛否両論ある作品だと思います。

作品の雰囲気・見る前の注意点・良かったところと気になったところがわかり、「見に行くか判断できる」ことを目指しています。

作品情報

ざっくり感想

面白いか面白くないかで言うと面白いです。昨今のアニメ映画と比べるとクオリティは足りない & 映画的な面白さの工夫が十全にされていないので、アマプラや金曜ロードショーなどで見るので十分な気がします。

ネタの豊富なので、SNSでやり取りしたいのであれば今見るのもおすすめします。

見る前の注意点

予備知識は特に必要ない

他作品の続編ではないので、予備知識なしで見て問題ありません。ただし、河森正治監督の過去作(「アクエリオン」シリーズなど)や平成に流行ったキャラクターを知っていると、小ネタがあってクスッとできます。

とは言え、本編に影響を与えない程度なのでふらっと見に行っても問題ありません。

複雑な設定が多いので集中力が必要

スマホの中の世界」「現実世界の変化」「XGシステム」など、設定が複数絡み合っています。説明が少なめでテンポも速いため、集中して見ることをおすすめします。

作中で一部説明がありますが、わかり難いかったりロジックがおかしかったりするのでえ、疑問に思う部分があっても、一旦飲み込んで進むと楽しめるタイプの作品です。

良かったところ

みなとみらい近辺が舞台なのでみたことある背景がたくさん

舞台がみなとみらいなので桜木町の歩く歩道やワールドポーターズ、観覧車、元町中華街など見たことがあるシーンが大量にありました。やっぱり知っているところが映るとワクワクします。

SNSと承認欲求という現代的なテーマが興味深い

「自分らしさ」と「他人から見られたい自分」のギャップをテーマに、SNS時代の承認欲求と自身の存在価値を描いています。主人公の「栞」が保守的でインターネット黎明期の価値観、一人の「SHIORI」が現代的で令和の価値観でやり取りするので、現代の若い世代が抱えるジレンマをうまく表現していました。

色々な映画ジャンルのごった煮が凄い

この作品内には青春群青劇、ホラー、バトル、SF、コメディ、ダンスと短い映画の中で複数のジャンルの演出・雰囲気がコロコロ変わります。次にどのようなシーンが来るかや話の重さが、予測がつかない展開が続きます。テンポが速いので飽きることなく最後まで楽しめました。

歌とロボで戦うシーンが熱い

監督はマクロスアクエリオンなどを作ったとのことで、クライマックスで歌ったり、合体ロボや巨大ヒーロー的な演出があり、燃えるシーンでした。展開的にはちょっと強引でしたが、スマホの世界と言う設定を全力で生かして、大迫力の熱い展開は好きな人にはたまらないと思います。

気になったところ

設定の説明が不足していて置いていかれる

「なぜSHIORIが現れたのか」「XGシステムで具体的に何がしたいのか」など、設定の説明が不足していて、見ている間ずっと疑問が渦巻いていました。他にも意味深な演出やシーンもちょくちょく挟み込まれますが、最後までよくわかりませんでした。「こういうものだから」と飲み込んで楽しめる人と、納得できないとモヤモヤしてしまう人で賛否が分かれそうです。

声がイマイチ

主人公に限らず登場人物の半分ぐらいが声に違和感があります。通常のシーンでは慣れてきて気にならなくなりますが、子供時代の声も高校生の時と一緒だったり、クライマックスや熱いシーンの声に熱や勢いが無くて微妙でした。

主題歌が映画にあっていない

この主題歌は劇中にも流れますが、映画にあっていないです。映画、特にクライマックスで流れる劇中歌はサビでテンポや勢いが上がったり、Sailor, Sail Onはずっと同じ調子なので映画も盛り上がりませんでした。

盛り上がらない曲を使う場合は登場人物が思いのたけを叫んだりして盛り上げますが、栞が歌っている関係上それもできずやっぱり盛り上がりませんでした。独唱からのBGMを付けるような徐々に盛り上げる演出もなく一定だったのでイマイチでした。

映像美・音響のクオリティがひと昔前

最近は鬼滅の刃、チェーンソーマン、忍たまエヴァンゲリオンとアニメ映画のクオリティが爆上がりしています。それをアニメ映画のベースとして考えると期待外れになってしまいます。

平成のアニメ映画だけで比較するとクオリティが高い方なんですが令和のアニメ映画の進化が凄まじいので致し方ない気もします。

どんな人におすすめか

  • 河森正治監督作品のファン
  • SNSや承認欲求をテーマにした作品が好きな人
  • 設定の細かい説明がなくても勢いで楽しめる人
  • 小ネタや展開をSNSでコメントのやり取りをしたい人

避けた方がいいかもしれない人

  • 設定や伏線の回収を重視する人
  • 映像美を求める人
  • 丁寧なキャラクター描写を期待する人

 

ここから下にスクロールしたところにネタバレありがあります。見る前の人はお気を付けください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ネタバレあり)良かったところ

栞(身近との関わり)とSIORI(不特定多数との関わり)で対比させたこと

栞の時は謎にお父さんにぶつかっていたり、母親とご飯について話していたりしていたのに、SIORIと家族や希星との関りが一切描かれていません。自分の部屋にSIORIがいるのに「お父さんに謝りなさいよ」のセリフですら電話越しに栞にしているので徹底しています。一方でSIORIのネット上のいいねは増えているので面白い対比です。

合体ロボット VS 巨大化キツネマンが面白かった

完全に作る人が作りたいから作ったシーンが面白かったです。お仕事車ビームとか鉄扇シールドとかめちゃくちゃしているなと思いました。やっぱり、車をそのままコクピットとして合体するのはロマン!

合体ロボットが雰囲気アクエリオンっぽいなと思ったら無限パンチもどきを繰り出してめちゃくちゃ笑いました。その時は監督のことを調べてなかったので「これ怒られるんじゃ???」ってぐらいでした。

バズった階段落ちおしりから落ちる落ち方と前回り受け身が良いね

今は見ることがなくなったおしりから階段を落ちる落ち方が古典アニメっぽくて良いねってなりました。その流れから前回り受け身に転換するのも凄いってなりました。

最後のライブの階段から落ちるシーンでも受け身でこらえるので初めの技を最後に使うお決まりをやってくれて「これです!これ!」となりました。

アニメなのでリアリティなんて投げ捨てれば良いんです。

話のサクサク具合がメタ的な伏線なのはビックリした

栞はスマホの世界で小森と一緒に問題解決に進みますが、小森のナビゲートが的確過ぎてサクサク進んでいきます。映画進行の都合かと思っていたら、最後の方で小森≒傑だということがわかりました。創造主ならナビゲートを的確にできるのも納得です。

(ネタバレあり)気になったところ

中途半端な説明なら不思議な力のせいにしてほしかった

4Gや5Gが短波になって脳に接続できるとか説明ありますが訳が分かりません。他にも人間が栞だけだったり、話を出来るのが小森だけだったりと世界観の統一がされてなく気になりました。電源が切れていない=元の姿、電源が切れた=スタンプ化が栞の時のルールだったのに、小森の時は電源が切れていない=スタンプ、電源が切れた=正気を無くすと同じ世界なのに特段理由もなく別のルールが適用されていました。

出来事の世界が狭すぎる

この映画での出来事はみなとみらい近辺で閉じています。
仮に傑が画策した全人類の同化が成功しても、みなとみらい近辺の人がSIORIと傑になるだけなので、正直大事件感がないです。せっかくネットワークを使った計画なので全世界の人がライブを見ているとかすればもっと事件感が増すかと思います。

最後に

「迷宮のしおり」は、賛否両論ある作品だと思いますが、現代的なテーマと作りたいものを作った姿勢は評価できます。

設定の説明不足や主人公のキャラクター性など、気になる点はありますが、「こういうものだ」と飲み込んで勢いで楽しめる人には、映画館で見る価値のある作品だと思います。