×

日常の色々な事

開発の考えや映画やアニメなど、ごちゃごちゃしたものを書いてます。「本サイトはアフィリエイトが含まれています」

【ネタバレなし】映画 貞子DXを見た感想

貞子DXを見てきました。貞子と言えば螺旋やリングに出てくる幽霊でかつてはあまりの怖さにJホラーの有名作として取り上げられていました。

そこから何度か続編やリメイクを重ねるうちにドンドン怖さが薄れていったように感じ、ついに貞子DXでは怖さがなくなりました。

まだ封切りされたところなのでネタバレは極力なしで感想を書いていきます。これから観に行く人や行こうかと悩んでいる人の助けになれば嬉しいです

 

 

 

本作の立ち位置

シリーズでつながりはあるの?

ほとんどありません。知識が無い状態で貞子DXを見ても話は分かります。

貞子の呪いのシステムだけが過去に語られていた都市伝説として出てきますが、登場人物が説明してくれるので事前に前シリーズを見る必要はないです。逆に貞子の動機や目的が全然違うのでシリーズをしていると混乱するかもしれないです。

良かったところ

呪いの決着方法が新しい

今までのシリーズだと「呪いを避けるために感染を広げる」「貞子の遺体を見つけて供養」「貞子に協力して新世界を目指す」「貞子が転生する」と貞子にアプローチすることで解決しようとしていましたが、貞子ウイルスの「ウイルス」部分に着目した解決方法は、呪いを科学的に見ないと出ない新しい考えだと感じました。

平和的な結末

リングやらせんシリーズと違って、貞子シリーズは比較的グッドエンディングで終わります。本作は貞子シリーズの中でも屈指のグッドエンディングになっています。

SNSを使った感染方法に納得した

貞子DXではVHSから感染が始まり、主人公の誤った推理のせいでSNSで拡散されて感染が爆発することになりました。貞子3Dでは最初からネット動画として呪いの動画が拡散されていましたが、リングと同じように最初はVHSから始まり現在の主要なツールであるネットへ拡散される経過が表現されているのが納得感があって面白かったです。

悪かったところ

ジャパニーズホラーではなかった

海外のホラーは怪物や幽霊が直接的に危害を加えてくるので急な動きや大きな音でビックリさせるものが多いですが、リンクや呪怨のようなジャパニーズホラーは陰鬱な雰囲気や日常の音などで恐怖を掻き立てて背筋がゾッとするものとなります。

貞子DXは完全に大きな音と急な動きでビックリさせに来ていました。百歩譲って貞子がするならともかくただのモブキャラが脅かしてくるので怖さのコントラストがなく貞子が出ても怖くなくなっていました。

リアクションや決めポーズのせいでテンポが悪い

ビックリシーンや決めポーズが状況を気にせずに大量に出てきます。そのビックリシーンと決めポーズが一つの会話中に何度も出てくるのでテンポが非常が悪いです。

さらに、ビックリに対してオーバー気味なリアクションをするのでテンポが致命的に悪いです。貞子に追われているシーンでもお構いなく出てくる決めポーズのトゥースやエリマキトカゲポーズが最後の方になってくるとウザくてしょうがなかったです。

例えば貞子への対策を考えようー>ビックリシーンー>リアクションー>状況確認ー>決めポーズー>ビックリシーンー>リアクションー>推理1ー>決めポーズー>協力者からの情報共有とせっかくの推理シーンでビックリや決めポーズで話が中断されるのでうっとおしくなります。

主人公がクソリプ5ch陰謀論者なのに褒めちぎられてなろうっぽい

主人公はIQ200でテレビで引っ張りだこの天才という設定なのですが、全然天才っぽくないです。基本的にやっていることが人づての情報や陰謀論的なことをどや顔で言っているだけでした。

呪いのビデオに対して「呪いなんてない、全て科学的に説明できます。これはプラセボ効果です」と言って話が終わった時は5chの書き込みかな?と思ってしまいました。

終始「私がこう言うんだから正しい」で終わっている主人公なのに周りの人はすごいと褒めていてなろうっぽい空気感でした。

結論が微妙

ネタバレになるので詳しくはかけないですが、主人公が主人公なのでHPにあるような「呪いの方程式」が立てられることがないです。作中でどや顔で「これが呪いの方程式」と言っていますが、穴だらけで見ているこちらとしてはハテナが浮かんで仕方がなかったです。

コメディとしても微妙

コメディとして見ても、劣化trickのような印象しかなかったです。貞子ウイルスによって禿げた叔父さんに髪が生えたり、貞子にお茶を出したりコメディっぽく見せようとしているところを感じますが前後の空気感を無視しているので駄々滑りです。

色々細かいところの整合性が取れてない

全く同じタイミングでビデオを見たのに貞子に襲われるタイミングがずれたり、ネットで拡散されているのにVHSで見ようとしたりと細かいところの整合性が取れていないです。

演技の問題かもしれませんが、呪い殺されるときのでんぐり返りがタダのでんぐり返りだし、井戸に押し込まれる姿が謝りたくない新入社員を無理やり頭を下げさせるベテラン社員っぽかったり恐怖シーンなはずなのに変な感じでした。

絶対見に行かない方がいい人

リングのストーリーを期待している人

貞子の過去話や動機、目的などが一切出てこないです。今回の話は場当たり的に色々試してみて解決方法を探るだけの話で貞子の過去話等も一切出てこないので、らせんが好きな人は見に行かない方が良いです。

ホラーを期待している人

最初の頃はビックリしていましたが、大量にあるせいで物語の中盤から後半にかけてはビックリしなくなりました。そうなると他のホラー要素がなくなるので怖さが一切なくなります。

ちなみに序盤の序盤に不快な環境音で恐怖心を掻き立てようとしていましたが、普通に不快な音を聞かされただけでした。

最後に

貞子シリーズである程度期待値が低くなっていましたが、その低い期待値をはるかに下回っていました。貞子3Dはバッタバッタと貞子を倒す爽快シーン、貞子3D2は子供を使用した後味の悪いストーリーと何かしら褒められる点があったのですが、今回は絞り出さないと出てこないレベルでひどかったです。

いったい何を考えて、わざわざテンポが悪くなるような決めポーズや中学生が考えたようなビックリ要素を入れたのかが良く分からないです。もはやホラー路線はやめてB級路線で行くのなら結構香ばしい出来だったと思います。