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【ネタバレあり】ネイチャー・スリラー映画 LAMB ラム を見た感想

LAMB ラムと言う映画を見ました。公式HPを見たら「禁忌が生まれる」とか「羊から生まれたのは羊ではない何か」とか、怖い文言や画像がかなり怖くて夏にふさわしい心から震えるホラーを気にして見に行きました。

実際見たら、雰囲気や演出は抜群なのにストーリーがイマイチでした。一言で言うと意識高い系ホラーとの言葉が思い浮かびました。ネタバレなしで感想を書いてしまうと、拍子抜け感が伝わらないのでネタバレありで書いていきます。

 

 

あらすじ

アイルランドで暮らすマリアとイングヴァルの夫婦は、ある日羊の出産に立ち会うと羊の頭と片手、人の片手と体、足を持つ何かが生まれる瞬間を目撃して自身のなくなった子の代わりにアダとして、育て始める。

イングヴェルの弟のベートゥルが街から追い出されて、イングヴァルの家に向かっているとマリアがアダの母羊を殺しているところを目撃してしまう。ベートゥルはマリアに好意を抱いており、これを元に酔った勢いで肉体関係を迫ったが納屋に一晩閉じ込められ、酔いがさめてから街へ追い出されてしまう。

マリアがベートゥルを街へ追い出している時に、イングヴァルとアダは遠くの湖まで壊れたトラクターを取りに行くと羊男に遭遇してイングヴァルが銃殺された。街から戻ってきたマリアはイングヴァルの亡骸を見つけ、アダは羊男に連れ去られて絶望に落ちてしまう。

と言うのが、ざっくりとした映画のあらすじになります。

良かった点

  • 日常から感じる不気味な雰囲気
  • 訳ありな登場人物
  • 生理的違和感を感じる演出

映画は何者かの視点から始まり、吹雪の中を進みながら羊舎にたどり着くまでを描いています。このシーンは夜の吹雪の景色を数十分の間、何者かの荒い息と羊の鳴き声を聞きながら移動するのがとても不気味です。

マリアとイングヴァルの日常風景についても、会話やBGMを最小限にして、羊の鳴き声や農場の鎖の音、トラクターの音、食器の音など生活音を強調することで常に何が起きても不思議じゃない不気味な日常を演出して、ドキドキしていました。

登場人物についても、いつ暴走してもおかしくない人がそろっています。マリアはアダの母羊がうるさいから、周りに黙って射殺して土に埋めてました。イングヴァルはアダをからかうベートゥルに対して敵意をむき出しにしたり、ベートゥルはアダをからかったり、アダの異常性を訴えたり、マリアに横恋慕したりと登場人物はいつだれが犯人になってもおかしくないほど訳ありです。

ここまで訳ありの人物がそろうと不気味な雰囲気も加味して、いつ事件が起きるかわからないのでワクワクしっぱなしでした。

アダの周りも不気味さに一役買っていました。イングヴァルとマリアは半羊半人の赤ん坊のアダを見た時に驚きはするものの、相談することもなく直ぐに自分たちの子供にしようと考えて行動するところも不気味でした。アダはずっと寝てたり、抱っこされており、体は毛布で隠されているため見ている側からすれば途中まで羊の赤ちゃんにしか見えずに、なんで大切に扱われているのかが分からずに不思議でしたが、中盤で全身が映り半羊半人だと、こちらにもわかり生理的違和感が半端なかったです。

それ以降は普通に半羊半人のアダを普通に子供として接していますが、体の大きさの割に言葉もしゃべれずに行動も押さないため違和感バリバリで言葉にならない恐怖を感じる日常が長く続きます。

悪かった点

  • 無駄なシーンが長い
  • 会話がほとんどないので話が分からない
  • 唐突なストーリーで拍子抜け
  • 怖くない

この作品は意味のないシーンも意味のあるシーンもたっぷりの間を持たせています。そのおかげで不気味な雰囲気を醸し出せていますが、その緊張状態が長くなり場面転換もゆっくりなので眠く成ります。

さらにマリアとイングヴァルの会話がほとんどありません。アダを子供にする相談すらありません。ほとんどは業務連絡なので話や感情がほとんど会話からわかりません。その分、表情や周りのもので想像は出来るのですが見慣れない外国人の表情なので微細なところまでは分からずちょっとモヤっとしました。

それでもよかった点で上げたように雰囲気や火種がそろってきてワクワク・ドキドキして話を見ていましたが、最後にポッと出の羊男にイングヴァルが殺害されてしまったので拍子抜け感が半端ないです。このシーン以前は不気味なだけの日常なので作品全体も怖くなくホラーやスリラーを期待して行ったら怖くないのも致命的に残念でした。

やりたいことは、マリアがした仕打ちを羊男にされることで因果応報を表現したいのは分かりますが、色々と雑で腹落ちしなかったです。

マリアは母羊を殺害して子供(アダ)を羊男から奪ったので、羊男はイングヴァルを殺害してアダを連れ去ったので状況としてはパートナーを殺して子供を連れ去った同じことをされています。

羊男が最初からアダの傍にいれば、この因果応報も納得感が出るのですが、羊男はアダが連れ去れる時も母羊が殺害された時も、状況を理解してそうなので、おそらく傍にいるのに姿すら現さずにいたのに対して、マリアは留守にしている瞬間を狙われたので状況が一切違うので腑に落ちないです。

アダの人の体が中盤以降にスクリーンに出てきたのと同じように、最後に「犯人は羊男でした!!」を表現したいがためにストーリーに納得感がなくなっちゃった気がしています。

全体の感想

雰囲気や小手先の技術が素晴らしいだけの映画でストーリーやスリラー・ホラーがイマイチなので、実力の伴っていない意識高い系がぴったりの映画だと感じました。

丁寧に丁寧に火種を用意したのに、どれも爆発させずに横から適当なキャラがさらっていったので出オチ感がひどかったです。まだ物語の途中で羊男を示唆する内容があればよかったのですが、それすらなかったので本当に出オチです

劇中に何度もアダの異常性を訴えていたベートゥルが殺害されそうで、イングヴァルから出ていけと言われた時など何度も「逃げて!!」と思いながらハラハラと見ていました。マリアによって追い出された時は「やっと逃げた!これで生き延びられる!!」とうれしく思いましたが、落ちの羊男を見て「え~逃げるの関係ないじゃん」とがっかりしました。

見た後に口コミを色々見ましたが、評価が高い人が多くてびっくりしました。そういった人は考察が面白いと言う人もいました。

自分も考察は好きですが、あくまで考察は映画をより楽しくするものであって、映画は映画単体でも十分面白い、考察するともっと面白いものだと思っているので、この映画は過去最悪レベルであってなかったです。