VivyのBD5巻とオーディオドラマを見た感想です。
アニメではぱっと過ぎていくワンシーンの演出が脚本集で補足されていてアニメを見たときにより楽しめるようになりました。ドラマCDではエリザベスを中心にトァクの穏健派の様子や垣谷との絆が描かれていてよかったです。映像特典としてOP曲(Sing My Pleasure)のオンラインミニライブもついていて見れなかった自分にはうれしかったです。
結構がっつりネタバレありで感想や思ったことを書いていきます。
目次
アニメの良かったところ
悩み成長するヴィヴィと見守るマツモト
ヴィヴィとしてはメタルフロート以降意識を失ってしまうので、この話数開始時には20年~30年しか稼働していません。その中でもシンギュラリティ計画のせいで、純粋に歌姫として生きたのは10年にも満たないです。
前話で40年程度歌い続けたディーヴァの影響を受けて歌えなくなってしまいましたが、この話で「何を誰に向けて歌う」曲がわからないヴィヴィが松本博士を通じて受け継ぐことを学んで「ヴィヴィのことをディーヴァに向けて歌う」曲を作曲するところが良かったです。さらに、マツモトは何も言わずに定期的に様子を見に来て見守るところも良かったです。
完成されつつあるバディ感
10話の成長を経て、11話ではヴィヴィとマツモトのバディ感が増しています。6話ぶりのこのペアなので余計そう感じてしまいます。特に戦闘のシーンでは名前一つで言おうとすることを察して行動したり、共闘するところが相棒感が出てすごく良いです。
トァクの遍歴
オーディオドラマを聞いてからアニメを見るとトァクの穏健派や垣谷唯のすごさを感じることができます。リアルタイムでは面食らってそこまで認識することができませんでいたが、改めてみると垣谷雄吾や垣谷唯が歴史に与えた影響を感じることができました。
感想
最終回に向かっての入り口に相当する巻なので映像的にはゆっくりしたものになっていましたが、10話では定点カメラのような視点を多用すると言った工夫があって面白かったです。リアルタイムでは驚愕だったトァクの登場ですが、今は一度話を見ているので冷静に見ることができるのでトァクメンバーの様子がよく見ることができてよかったです。
脚本集やコメンタリーの良かったところ
ヴィヴィを作った研究者の正体
ヴィヴィが歌を歌うために自身の成り立ちを見ているときに出てきた重要そうな研究者の正体が脚本集に書いていました。脚本集では研究者Aと書いていました。まさかの名前すらない研究者でした。あそこまで存在感を出しておきながらモブよりちょっと上なので驚愕しました。
ルナに手を握られるシーンは味付け程度
アニメを見ていると松本博士の子供のルナに手を握られた瞬間にヴィヴィがひらめいたように見えましたが脚本集では違いました。脚本集では松本博士の直前のセリフ「人間は必ず死ぬ。けれど必ず誰かの中に残るんだ。」というセリフが契機でした。さらに、アニメではこの後にディーヴァとの別れをフラッシュバックしていますが、脚本集ではフラッシュバックがないので意図を感じて追加したんだなとすごいと思いました。
エリザベスは最初の戦闘シーンでは謎のAIに見せるつもりだった
脚本集ではエリザベスの正体を明かすのは垣谷唯と合流後でしたが、アニメではもろにばれていました。むしろリアルタイムの時は前話の次回予告の時点でバレていました。
アニメと脚本集の違いが顕著に出てきて面白かったです。
感想
脚本集には細かくキャラクターの感情が書いてあるのでアニメで見ている以上に心境がよくわかりました。アニメは脚本集に沿った内容になっていますが、だからこそ違う場所に明確な意図を感じられて脚本集を見ながらアニメを見ていると楽しめる内容になっていました。
オーディオドラマの話
ストーリー
垣谷唯にエリザベスがサルベージされた時の話です。
実験の失敗、落陽事件の計画失敗とエリザベスの関わったすべての事象が失敗しています。洛陽事件に至っては計画失敗のために動いたように記録が残っているので洛陽事件の記憶のないバックアップのエリザベスは混乱と自信の喪失をしてしまいます。
オリジナルですら失敗続きだったのにコピーである自分はダメだと落ち込むエリザベスに対して垣谷唯の説得により前を向く話になります。
面白かったところ
垣谷唯の強さと茶目っ気
目が覚めて気が立っている戦闘用のAIエリザベスと銃を構えているトァクメンバーを前にして「言葉が通じるなら銃弾よりも対話」というアニメでも言っていたセリフを言ったり、そんな一触即発の状態で車椅子が最新式で階段が上り下りできるところを自慢したりとアニメ以上に魅力が出ています。
個人的には垣谷雄吾の記録動画を見て「あのメッセージを見つけてひっくり返りました。私がひっくり返ると体を起こすのが大変なんですよ?」と垣谷唯が言う冗談が好きです。
エリザベスの人生とエステラ・垣谷雄吾の魅力
エステラとの実験や洛陽事件前の垣谷雄吾とのやり取りが回想として描かれています。
エステラとの実験ではエリザベスの思考に合わせようとするエステラに対して必要ないと言ってエステラまで劣等生にならないように気を遣うところが魅力的でした。
一方で垣谷雄吾に対してはエステラの格好をしてウキウキで報告したら無碍にされてしょんぼりするエリザベスや、そのエリザベスを見てかなり不器用なフォローをする垣谷雄吾が見れてニヤニヤします。
感想
アニメではエリザベスは飄々としていて垣谷雄吾のこと以外は気にしていないように見えましたが、自身がコピーであることや失敗していたことをかなりに気にしているのがわかってアニメで洛陽事件のことを聞いた時の態度も納得しました。
垣谷雄吾はエリザベスのために詳細な設計図を残したりバックアップを残したりメッセージを残したりとツンデレがすごかったです。
垣谷唯も垣谷雄吾からお年玉をもらったことがない代わりに隠れ家にエリザベスがいたと言ったり、エリザベスがマスターと呼んでくれなくて膨れたりとアニメ以上に魅力的になっていました。