竜とそばかすの姫を見て来たのでネタバレなしで感想を書いていきます。具体的なことが書けないのでふんわりした感想になります。感想で一言で言うと、劇場で見てよかったです。テレビだと魅力が半減しそうな作品です。
入場特典でspotifyのプレイリストが書かれた紙をもらえるぐらい音楽に力を入れているようです。プレイリストはこの作品だけでなく、細田監督の過去作の音楽もありました。
目次
良かったところ
映像と劇中歌の融合で盛り上がりがすごかった
主に仮想世界パートですが、広いところから狭いところへカメラワークが動くので仮想世界の広さを感じることができました。さらに、伸びのある劇中歌があることで視界的な広さと音的な壮大さが合わさってすごい盛り上がりました。
まさにここが劇場で見て良かったと思うポイントです。家のテレビだと映像美もそうですが、劇中歌の音圧も違うので作品の魅力が半減しそうです。
劇中歌で主人公の気持ちを表現することで心にダイレクトに伝わる
公式のキャラクター紹介でもあるように主人公と歌は切っても切れない関係にあります。普通は心の声をモノローグで表現するのですが、この作品はほとんどモノローグがなく歌で心を表現していて、暗くなりがちなテーマなのに素直に心に伝わりました。
そのため、この作品の劇中歌が9個ぐらいあって、その歌を通して主人公の成長が感じられます。
複雑な愛情を表現している
この作品には、恋愛・親愛・慈愛と3つの愛が表現されています。登場人物自身も自分の愛情がどれなのかがわからなかいので、表情や態度で微妙な愛情を表現しています。物語を進めていくことで、自身の感じている愛情がどれなのかを自覚するように成長していきます。
状況説明がほとんどない
劇中歌のところでも言いましたが、モノローグがほとんどないので主人公が置かれている状況の説明もほとんどないです。セリフや背景から主人公の置かれている状況を推察するしかありません。そういうと難しそうですが、この作品では推察が容易にできるように丁寧に背景やセリフで状況を表現してくれています。
悪かったところ
手のひらドリル
モブの手のひら返しがすごすぎて、ちょっとリアリティがないです。アニメなのでリアリティは不要という考えもあるのですが、あまりに手のひら返しがすごいのでモブではなく舞台装置のように感じてしまうことがちょくちょくあります。
不要な展開
全て必要な展開で埋め尽くせるとは思いませんが、意味ありげな展開なのに実際はただの賑やかしだったり、二歩進んで一歩戻るみたいな引き延ばし展開があったのが残念でした。
感想
結構面白かった部類の映画でした。宣伝で監督の名前や作品を前面に出しているので、どうしても過去作と比較してしまいますが、過去作にない作品だったので良い意味で裏切られました。
モノローグでの説明がないので人によっては話の展開がわからないとかある気がしますが、自分にとっては十分に情報があったので理解しながら見ることができました。ただ、2回3回見ると見逃していた要素が出てきそうなので複数回見てみたい気持ちにもなります。